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NICOLAS、始動ライブを満員の観客たちを前に目黒鹿鳴館で実施。クソッタレな悪童曲も披露し、始まりの景色を熱狂で染め上げた。

LIVE REPORT

SAKU/AKANE/SATSUKI/ZERO/RITSU…メンバー名を聴いてピンと来た方も多いだろうか。あの悪童どもが、ライブハウスに舞い戻ってきた。今度は、NICOLASという名前で…。
7月1日(月)に目黒鹿鳴館で行った「NICOLAS ONEMAN TOUR 2019「クソッタレ イズ バック-地獄からの使者-」ACT.1」は、奴らが動き出すのを知った信者たちが詰めかけSold Outを記録。奴らがどんな姿で、何をやらかしたのか。その模様をここにお伝えしよう。

熱狂的な声援を受け、NICOLASのライブは会場限定で発売中の1stシングルナンバー『真昼の蜃気楼』から幕を開けた。疾走する演奏の上で、熱情抱いた歌声を高らかに響かせるSAKU。とてもつかみを持った、メロディアスな歌系情熱ナンバーだ。彼らは「切なさと 儚さと 歪な愛をください」と歌いかけてきた。一瞬にして心をつかんだキャッチーな楽曲を通し、NICOLASが歌心を大切にしているバンドという姿勢を感じていた……のだが、やはり、奴らはヤバイ連中だった。続く『死考回路』を通し、NICOLASはフロア中へ熱を放ち、激しく頭が揺れ動く光景へ塗り替えた。思考回路を止め、舞台上から流れだす刺激的な音に身を預け、騒ぎまくれ。でも、いくら激しい表情だろうとサビ歌が胸を捉えて離さない。「君について考えてるはずだよ~約束したんだ~僕はまだ幸せになれませぬ」と想いを叫ぶSAKUの歌声が、耳にこびりついて離れない。
「好きなようにやりなさい」、その言葉を受け飛びだした『SACRIFICE』では、SAKUの煽りへ触発されるまま、拳を振り上げ、身体を折り畳む光景がそこには広がっていた。身体を突き刺す鋭利でパンキッシュなロックナンバーを軸に据えながらも、「錆びついた夢を信じるのだろう」「繋ぎ合わす 未来描けるだろう」など、SAKUはつねに仲間たちへ誘いをかけてゆく。その言葉には、強い意思が活きている。だからこそ、その想いへ熱を掻き立てる演奏も加えることで、身体は興奮を覚えながらも、心はずっと歌に、言葉へ惹かれ続けてゆく。そこが、NICOLASに惹かれる大きな魅力だ。

「知らない曲、てんこ盛りでいきますんで。まわりの目なんか意識しないで大げさに俺にアピールしてくれ!!」。SAKUの言葉に続いて飛びだしたのが、『「廃論破」』だ。ザクザクとしたAKANEのギターの音からの幕開け。SAKUの「飛べ!!」の声を合図にフロア中の人たちが躍動する演奏に合わせ飛び跳ねる。その対応力は流石だ。さぁ、SAKUと一緒に「論破 論破 論破 「廃論破」」と叫びを上げればいい。気持ちが動くままに右手を高く突き上げ、高く高く飛び跳ねればいい。本能のままに騒いでこそ、それが正解だ。ヒステリカルでサイコなギターリフが身体をチクチク刺激する。挑む姿勢を持ってSAKUが「残虐の」「曖昧を」と言葉を刺してゆく。とても鋭利な楽曲だ。なのに、情熱を持ったサビ歌が心を奪ってゆく。『Jesus Phobia』、なんて刺激的で魅力的な歌だろう。
「あなたたちはとても強く強く、逞しく、そして壊れやすい生き物なんです。それは、我々も。だから、生きている実感がある」、格好つけながらも、照れた仕種で言葉を投げるSAKU。突きつけた『パラノイアドフィロソフィ』は、攻めに徹したスピーディでハード&パンキッシュな楽曲だ。途中、逆ダイの光景も。いわゆる煽り曲の位置を持ったナンバーだ。観客たちも手慣れたもので、無邪気に肉弾戦を楽しんでいた。

「伝説は目黒鹿鳴館から生まれたと言ってくれ。東京ドームまで…行けないと思ってるでしょ。俺にはその道が見えてるよ」「ケータイ見ながら?」「歩いていかねぇよ」というコミカルなMC。他にも、MCでは「7月1日は我々にとって、とても大切な日」と語る場面も。MCでは詳細を明かすことはなかったが、7月1日は、NICOLASの前身バンドとなるゴシップが活動を始めた日。同じ日に、ふたたび新たな始まりの一歩を刻むところが、嬉しいじゃない。

ここで、哀切さ抱いた美しくもドラマチックな叙情曲『ECHO OF SILENCE』を披露。喪失し嘆く気持ちを、SAKUは身体を震わせながら、壊れそうな声色を持って歌っていた。剥き出しな感情を突きつけるバンドだからこそ、秘めた想いを儚さに乗せ響かせる歌が嬉しいギャップとなり、触れた人たちの心を釘付けにしていった。
さぁ、ふたたび狂った宴へ連れ出そうか。『INSANITY NIGHTMARE』に合わせ、右に左へ飛び跳ねる観客たち。SAKUは手にしたタオルを振りまわし観客たちを煽る。フロアではタオルを振りまわす人もいたが、大勢の人たちが手をくるくるまわし、SAKUの想いへ気持ちをシンクロさせていた。今後、この曲ではタオルを振りまわす光景がフロアを埋めつくしてゆくのだろう。「FLY IN THE SKY 今飛び立つ~歪な翼で」と歌うSAKUに合わせ、観客たちが笑顔で手バンしてゆく様も印象深く瞼に焼きついた。SAKUの煽りを受け、フロア中から沸き上がる嬌声。NICOLAS流、歌物青春ロックナンバーの『セピア』に身を、心を預け、心地好く身体を揺らし続ける観客たち。何時しかフロア中には、無数の手の花が咲き乱れていた。切ない青春の思い出を歌にした『セピア』に触れながら、改めてNICOLASは、剥き出しの感情を歌に乗せ痛いドラマを描き出すバンドであることを感じていた。
「もっと一つになれるか」「お前たちならなれる」「全員で一つになれるか」。最後にNICOLASは、1stシングルナンバー『遮断』を叩きつけ、観客たちの理性を消し去り、共に熱狂を描き出していった。「ウザい 世界 遮断 遮断 INSIDE OUTSIDE 殺意しかない」と連ねた言葉から感じた、以前と重なる姿。5人の本質は、今もNICOLASの中へ生きている。屁理屈で固めた表現を、彼らはより直情的に伝えている。それがNICOLASの姿勢なのかも知れない。より剥き出しの感情が伝わりやすくなったことで、誰もがNICOLAS初体験だったにも関わらず、素直に歌へ、熱狂へ溺れていったのも、そこに理由があったように感じている。

まだまだ始まったばかりのバンドのように持ち歌は限られている。アンコールでは、観客たちがとくにはまりそうな楽曲たちをふたたび演奏。つかみを持ったサビ歌も印象的、頭振り乱し狂乱の様を描きだした『死考回路』。「論破 論破 論破」「廃論破」の掛け合いが早くも生まれた『「廃論破」』と、体感的な熱狂を与える曲たちをセレクト。さらにSAKUは、歌詞を一つ一つ解説しながら乗り方をレクチャー。ファンたちと一緒に振りを作り上げる作業まで行ったうえで、みたび『死考回路』を、立て続けに『遮断』を演奏。「じゃあ、後は『INSANITY NIGHTMARE』をやって終わろうか」と、スタジオで練習するような様も見せながら演奏した『INSANITY NIGHTMARE』。まさか舞台上で、しかも公開ミーティングという形で振りを考えれば、今後もこの曲をライブで披露してゆくかの会議を行うとは。ここの下りだけで数十分費やしたように、アンコールは完全に公開スタジオ練習状態だ。ベルトの穴を2つくらい緩めたその緩さもNICOLASの魅力にしておこうか。
この緩いままでライブは終了…と思ったところ、「全員、戦って死ね」の言葉を放ち、NICOLASは刺激的な楽曲をぶち噛ました。飛び出したのが、ゴシップナンバーの『迷惑÷好意』だ。この楽曲を持ってくるセンスも最高じゃないか。お馴染みの楽曲の登場に狂ったように声を上げ、騒ぐ人たち。サビ歌ではSAKUと観客たちによるアカペラの合唱も登場。RITSUがドラム台から前に出て、一人アカペラで歌いながらSAKUにせまる意外性を持った場面もここでは見せていた。おいおいおい、あまりにも緩すぎないか?!(笑)。でも、次のMCで納得だ。
「まわりにどう思われようが関係ない、てめぇの道はてめぇで決めろ。自分の道は自分で行け」。最後の最後にNICOLASはゴシップナンバー『悪童会-クソッタレ行進曲-』を突きつけ、会場中に「クソッタレ」の声を轟かせ、熱狂を持って歴史の始まりを、真っ黒いページの最初に赤文字で刻んでいった。
     
NICOLASは、7月27日(土)より「NICOLAS ONEMAN TOUR 2019「クソッタレ イズ バック -地獄からの使者-」ACT.2」をスタートさせる。ツアーは、12月04日の高田馬場AREA「NICOLAS ONEMAN TOUR 2019「クソッタレ イズ バック -地獄からの使者-」FINAL」まで続いてゆく。その間の動きも含め、NICOLASの動きを、追いかけ続けていただきたい。

PHOTO:Kuro
TEXT:長澤智典

NICOLAS Web
https://nicolas-psycho.com/

★映像★

NICOLAS – 真昼の蜃気楼 (Official Music Video)

★インフォメーション★

【ライブ情報】
NICOLAS ONEMAN TOUR 2019「クソッタレ イズ バック -地獄からの使者-」

ACT.2
7月27日(土)本八幡Route Fourteen
7月28日(日)音処・手刀
8月2日(金)東高円寺二万電圧
8月3日(土)新宿HEAD POWER
8月17日(土)大阪新神楽
8月18日(日)栄R.A.D‏
8月23日(金)渋谷REX

ACT.3
9月14日(土)EDGE Ikebukuro
9月19日(木)京都MOJO
9月22日(日)梅田Zeela
9月23日(月・祝)HeartLand
9月27日(金)HooK SENDAI
9月29日(日)新潟CLUB RIVERST
10月5日(土)福岡graf
10月6日(日)福岡graf

ACT.4
10月26日(土)池袋CYBER
10月27日(日)浦和Narciss
11月2日(土)京都MOJO
11月3日(日)大阪新神楽
11月4日(月・祝)梅田Zeela
11月10日(日)福岡graf
11月16日(土)札幌COLONY
11月17日(日)札幌SPIRITUAL LOUNGE
11月22日(金)新潟CLUB RIVERST
11月23日(土)仙台BIRDLAND
11月29日(金)HOLIDAY NEXT NAGOYA
11月30日(土)名古屋MUSIC FARM

FINAL
12月4日(水)高田馬場AREA

NICOLAS ZERO presents 「MASK PARTY in TOKYO」
8月14日(水)池袋CYBER

―セットリスト―
『真昼の蜃気楼』(1st Single 表題曲)
『死考回路』
『SACRIFICE』
『「廃論破」』
『Jesus Phobia』
『パラノイアドフィロソフィ』
『ECHO OF SILENCE』
『INSANITY NIGHTMARE』
『セピア』
『遮断』(1st Single 収録曲)
-ENCORE-
『死考回路』
『「廃論破」』
『死考回路』
『遮断』
『INSANITY NIGHTMARE』
『迷惑÷好意』
『悪童会-クソッタレ行進曲-』

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