九瀬いむ(CHERRY GIRLS PROJECT)生誕祭に描いた、心の成長物語!!　

2020.11.02

LIVE REPORT

　11月1日(日)、渋谷DESEOを舞台に「CHERRY GIRLS PROJECT”九瀬いむ生誕祭”」が行なわれた。この日は、他にCHERIE GIRLS PROJECT/VARY GIRLS PROJECT/We=MUKASHIBANASHI/パピプペポは難しい/メルクマールメルマール/などが出演し、九瀬いむの生誕祭に花を添えれば、前日に誕生日を迎えた九瀬いむは、ソロコーナーでも登場。ここでは、イベントのトリとして登場したCHERRY GIRLS PROJECTのライブの模様をお伝えしたい。当日は、生誕祭公演の前に、メルクマールメルマールと2マンライブも実施。CHERRY GIRLS PROJECTはツーマンシリーズも数多く開催しているように、こちらの情報もチェックしていただけたら幸いだ。

　CHERRY GIRLS PROJECTのライブに先駆け行なわれた九瀬いむソロコーナーでは、来瞳舞夢を迎え、九瀬いむ誕生の日からCHERRY GIRLS PROJECT加入直前までを、写真と本人の言葉で綴る「九瀬いむヒストリー」を披露していた。

　「九瀬いむ生誕祭」公演は、まだCHERRY GIRLS PROJECTが暗闇の中を彷徨い、必死に現状を変えようともがいていた頃を振り返るように「ナキタイナ」から物語を綴り始めた。胸を騒がせる華やかでエモーショナルな楽曲に乗せ、5人は「ナキタイカナ涙も出ない」と苦しかった胸の内をぶつけるように歌い叫びながら、激しくパフォーマンスしていた。
続く「アンチエーター」でも、CHERRY GIRLS PROJECTは混沌とした心情をもがき苦しむ気持ちのままに吐き出していた。人が心に抱える抱えきれない葛藤を、彼女たちはがなる激しい歌声と、爆裂したエモロックチューンに乗せて突きつけてゆく。
九瀬いむが呟いた。「この世界は醜いものにあふれているこんな世界に染められるくらいならもういっそわたしは透明になりたい」。「透明人間」の登場だ。彼女たちの、いや、九瀬いむ自身がCHERRY GIRLS PROJECTでの活動を通して感じてきた、いたたまれない痛い心模様を冒頭3曲に並べ、CHERRY GIRLS PROJECTを通して九瀬いむが心に覚え続けてきた歩みを振り返るように伝えてきた。先日、バンドと一緒にライブを行なった経験は、早くもダイナミックなパフォーマンスや声量を増した歌声に現れていたことも、ここで伝えておこう。

MCコーナーでは、九瀬いむのために客席からバースデーケーキが登場。九瀬いむは「わたし22歳になったので、ニャンニャンです」と、彼女らしい緩い言葉でお礼を述べていた。

後半は、輝きだした道を駆けだしたす今のCHERRY GIRLS PROJECTの姿を投影した物語へ。CHERRY GIRLS PROJECTは、「幸せにもっと幸せに感じれたなら光溢れているREALな未来が導いて」と「君に花束を」を歌いだした。葛藤の淵から抜けだす希望の光が射した頃の姿を思い返しながら、5人は「その新たな願いが世界を変えてく」と、笑みを浮かべ歌っていた。
　たとえ世の中がバカにしようと、「そんなの無理だ」とあざ笑おうと、自分たちの信じた道を絶対に輝かせるんだと誓うよう5人は、九瀬いむは、最後に「僕たちの為に、あの鐘は鳴る」を、輝きをつかむように自信を胸に歌っていた。彼女たち自身が、この舞台の上で歌うことを本当に楽しんでいた。それも、5人の中につかむべき未来図が見えているからだ。「世界中が絶対に不可能だって否定したってさ君の存在があればできそうなんだ」と歌いながら、4人のメンバーが九瀬いむを指差していた。その様を見て、九瀬いむが涙ぐんでいたことも伝えておこう。

アンコールでは、最近新バージョンのMVが公開になったばかりの「神さま、お願い。」を5人は力強く歌っていた。葛藤の中から希望を見いだそうと歌っていた楽曲が、今はとても希望に満ちた歌として響いている。そう聞こえるのも、今のCHERRY GIRLS PROJECTが輝くための手段をつかんだからだ。今はまだ鈍い輝きだ。いや、輝くために磨きをかけ始めたばかりの状態かも知れない。でも、少しずつ光り出した原石だからこそ、「神さま、お願い。」も希望に満ちた歌として響いていたのかも知れない。

CHERRY GIRLS PROJECTは、3月25日に5thワンマンライブ「”UP GRADE”」をオルタナティブシアターで行なうことも決定している。その日に向けて走り続けているCHERRY GIRLS PROJECTを、ぜひ追いかけてくれ。

TEXT:長澤智典