絶望した心に寄り添う、後ろ向きに全力で絶望をロックする絶望のリトラとは…。
「後ろ向きの全力絶望ROCK」をテーマに活動中の絶望のリトラ。彼女は、サブカル最強を目指すアニソン系ユニットのff症候群-フォルテッシモシンドローム-のメンバーとしても活動中。絶望のリトラとはどんな表現者なのか、探ってきた。
その人の心の闇に寄り添いたい。
──絶望のリトラさんは「後ろ向きの全力絶望ROCK」をテーマに活動をしているんですね。
絶望のリトラ そうです。
──絶望のリトラは、ソロユニットと捉えて良いのでしょうか?
絶望のリトラ 絶望のリトラがわたしのメインとなる活動で、他に、ff症候群-フォルテッシモシンドローム-というアニソン系のユニットもやっています。今はその2つを使い分けながら活動をしています。
──それぞれのグループの魅力も教えてください。
絶望のリトラ 基本的に絶望のリトラのコンセプトは「後ろ向きの全力」なので、後ろ向きです(笑)。
──絶望のリトラさん自身、普段から後ろ向きの方?
絶望のリトラ 後ろ向きです。絶望のリトラとして追い求めているテーマについて「後ろ向きの全力絶望ROCK」と言いましたけど、根底にあるのは、「絶望した人がまた始めようという想い」。だから、正しくコンセプトを伝えるなら「絶望した日から始めよう」が正しいと思います。
──ということは、絶望のリトラさん自身しっかり前を向いて、日々を生きているわけだ。
絶望のリトラ 一応、前は向いています。絶望のリトラの場合、どちらかというと「人に元気を与えたい」じゃなく、「人の闇に寄り添う」という意識です。
──今は、闇を抱えている人たちも多い時代ですからね。
絶望のリトラ 確かにそう。絶望のリトラとしては、「誰かを元気にしてみんなとハッピーな時間を共有する」のではなく、「つらいことはつらい、悲しいことは悲しいと認めたうえで、闇を共有したい」。つまり、「その人の心の闇に寄り添いたい」んです。
──何故、そういうテーマを掲げたのかも気になります。
絶望のリトラ そういうテーマのほうが、自分は元気になれますからね。キラキラハッピーな中にいると、逆に淋しいし、なんか孤独を感じるんですよ。だから、(心の)闇の中に浸っているほうがわたしは元気になります。
絶望のリトラを支えてくれる人たちのために生きていきたい。
──絶望のリトラさんの場合、ライブではだいぶ感情を放出していますよね。
絶望のリトラ そうですね。キラキラハッピーの中にいると、本当に心が苦しいんです。それにわたし、人が歌わないことを歌っていきたいし、人が言わないことを言いたいんですね。アイドルさんたちが言わないことを、あえて間逆の位置から言ってくような…。
──たとえば?
絶望のリトラ 「人は信用出来ない」とか(笑)。「人は信用出来ないけど、自分のまわりの人は信用しよう」とか。別に攻撃的だったりネガティブなことをぶち蒔けたいわけでも、言ってるわけでもなく、人が心の中に持っているコア(本質となる)なところを言ったり、歌にしたいというか…。
──みんなが本音として思いながらもあえて口にしないことを、絶望のリトラさんは言葉や歌にしているわけだ。
絶望のリトラ あっ、そうです。そういうことを、あえて言ったり歌にしています。そういうことを言うから、わたしのことを嫌いな人も多いと思います。
──好き嫌いのはっきりするタイプ??
絶望のリトラ はっきりしています。好きな人は好きだけど、嫌いな人は嫌い…って、まさにその通りですよね。だけど、そのほうがぜんぜん良いです。自分は、好きな人のために生きていきたいし、絶望のリトラを支えてくれる人たちのために生きていたいんです。たぶん、人よりもたくさん絶望の中にいたからこそ、そういう人たちにも寄り添って生きてたい。
──お客さんたちも、その絶望感に共感している人たちが多いんですか?
絶望のリトラ それが、みんな全然ポジティブです(笑)。むしろ、闇を抱えてる人がぜんぜん寄ってこないんですよ。わたしはお客さんのことを「セイバー」と…「絶望を救う者」と呼んでいるように、絶望の中にいる自分をセイバーのみんなが救ってくれています。
──セイバー(お客さん)に絶望のリトラさんは救われているんですね。
絶望のリトラ そうです。お客さん全員に救われてます。お客さんがいるからこそ自分は生きていける。こんなわたしでも仲良くし、認めてくださる方がいるからこそ生きていけます。
──そこは、お互いの関係性がしっかり出来上がっているわけですね。
絶望のリトラ どうでしょうね? わたしはそうだと思ってますけど。お客さんに直接聞いたことがないから、そこははどうなんでしょうね(笑)。でも、好きでいてくれる人に、わたしは全力で向かっていきたい。性格は後ろ向きだけど、やるときは全力。だからセイバーたちには、「そんな後ろ向きな性格をしながら全力でぶつかっていくと、きっと転ぶよ」ってよく言われます(笑)。だけど、そんな自分の姿をみんな面白がって観てくれてもいます。
アイドルはキラキラしているものだと思います。わたしは、なんのキラキラ感もなければ、何時も絶望しているので(笑)。
──サブカル最強を目指すアニソン系ユニットのff症候群-フォルテッシモシンドローム-では、どういう活動をしているのでしょうか?
絶望のリトラ ff症候群-フォルテッシモシンドローム-はサブカルチャーの頂点を、サブカル最強を目指すアニソン系ユニットです。こちらもノリはロックだから、絶望のリトラとそこは一緒ですけど、基本的には「元気」で、割とハッピーなほうですね。
──絶望のリトラさん自身、ソロとユニットでは上手く心のバランスを取っているわけだ。
絶望のリトラ そうです。ff症候群-フォルテッシモシンドローム-は光で、絶望のリトラは影みたいな。ユニットは陽でソロは陰みたいな感じで活動をしています。
──それぞれの活動ペースはどんな感じですか?
絶望のリトラ ff症候群-フォルテッシモシンドローム-はメンバーのスケジュールもあるので、月4-5本程度。だから、本数的には圧倒的に絶望のリトラとしての活動のほうが多いです。
──今後の展開に向け、伝えたいことがあったらお願いします。
絶望のリトラ 8月9日に渋谷Milkywayさんで無料レコ発ワンマンライブを行ないます。作品はアルバムになるのかミニアルバムかは、今、制作している状況次第になりそうです。
──無料で開催というのが太っ腹ですよね。
絶望のリトラ 無料にすることで来ていただけるんだったら、わたし的にはぜんぜんありがたいです。とはいえ投げ銭形式にするので、そこは1円から無限大です。まずは観に来てもらわないと。でないと、わたしはそこで卒業になってしまいますかね(笑)。他にも、7月に千葉テレビで放送する「新ニッポンヒストリー」という10分アニメ番組に声優として出演します。どういう役柄になるかはこれからです。
──声優が出来るのはとても嬉しいことだ。
絶望のリトラ サブカルチャーが好きなので、嬉しいです。自分の場合、アイドルかと言われても微妙なラインですからね(笑)。
──絶望のリトラと名乗ってるくらいですもんね(笑)。
絶望のリトラ そう(笑)。アイドルはキラキラしているものだと思います。わたしは、なんのキラキラ感もなければ、何時も絶望しているので(笑)。
──それを笑って言えるのがいいですよね。
絶望のリトラ アハハハハッ。わたしを観て癒されてる人は、たぶんたくさんいると思います。「俺より下がいる」という意味で(笑)。
──本当に絶望していたら笑えないですからね。
絶望のリトラ 自分にも、笑えない時期がありましたけど。自分がそうだったように、気持ちが沈んでいる人たちの側に…。同じ気持ちを持っている人たちの側にいたいという気持ちです。
──その気持ちを胸に、これからも活動をしていくわけだ。
絶望のリトラ そうです。
──最後に、改めてインフォメーションをお願いします。
絶望のリトラ さっきも言いましたけど、8月9日に渋谷Milkywayさんで無料ワンマンコンサートを夜にさせていただきます。18時スタートで2時間半くらいやります。しかもバンドを従えてのライブになるので、少しでも興味を持ったら足を運んでいただけたら嬉しいです。
TEXT:長澤智典
絶望のリトラ twitter
https://twitter.com/litora0
ff症候群-フォルテッシモシンドローム- twitter
https://twitter.com/ffsyndrome0000