Masa Fukuda インタビュー 

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アメリカ・ソルトレイクシティから世界へ、その美しくピュアなハーモニーによる優れた表現力で大きな評価を浴びる、子供たちの合唱団One Voice Childrenʼs Choir。今回彼らはフィリピンで女優・タレント、歌手とマルチに活躍する弱冠11歳の少女シーア・ビゴーと共演を果たし、12月11日にその楽曲が配信リリースされることになりました。

今回はOne Voice Childrenʼs Choirのプロデュースを行っている音楽プロデューサー・ディレクターのMasa(福田真史)さんにインタビューを実施、今回の共演の所感とともに、彼がこの合唱団を率いることとなったきっかけや目標などをうかがいました。

●「音楽を通じて、希望や愛のメッセージを分かち合う」目的

--表現力のすばらしさという点に高い評価が集まるOne Voice Childrenʼs Choirの活動としては、具体的にどのような目的があるのでしょうか?

Masa:「ハートの中に火を灯す」そういった気持ちを世界で分かち合おう、というものです。私が以前担当した2002年のソルトレイク冬季オリンピックの楽曲で訴えたメッセージにつながるものだと思います。

日々の生活にはさまざまに大変なことがありますが、その中にも光を感じ希望や愛のメッセージを分かち合うという気持ちを、どんなことがあっても忘れないということだと。

例えば今は特にコロナ禍の影響もあり、世界のどこか、当然日本に行きたくても行けないわけで、やっぱりその状況は悔しいわけですが、この状況にこの子供たちの純粋な歌声が響き渡ることで、一人でも多くの人に希望を与えることができたら本当にすばらしい。音楽でそんな「火を灯す」活動に生きがいを感じて、自分がこの組織に関わることで何ができるかをいつも考えています。

表現力という点に関しては、もちろん子供たちそれぞれが持っている才能も大切だけど、大切なのは「その才能を使って何をするか」ということだと思うんです。

--今回、フィリピンのシーア・ビゴーとコラボレーションを果たされましたが、彼女との仕事にはどのような所感を抱かれましたか?

Masa:レコーディングはアメリカとフィリピンを結ぶリモートで行われました。彼女が最初にスタジオに入ったときにはすごく純粋な子供で、まだおちゃめで無邪気な女の子だと思ったんですが、歌い出したら「さすが!貫禄だ」とその歌唱力にビックリしました。

一方で彼女は私をすごく信用してくれて、私のアドバイスに耳を傾けてその指示をすぐに実践してくれたのは嬉しかったし、本当に一緒にやっていて楽しかったです。

またネットで調べた時に彼女は歌がうまいだけでなく、さまざまな人道支援活動に参加しているということを知ったんですが、彼女の人間的な性質からは、彼女がそういった活動に参加していることがすごく納得できる気がしました。その意味で今回の彼女の参加は、非常にOne Voice Childrenʼs Choirの目的に合っていると感じたんです。

●ソルトレイクシティで続く子供たちとの活動

--Masaさんご自身のプロフィールを改めてお聞かせいただけますか?

Masa:高校のときにアメリカに留学したんですが、ユタ州プロボで高校生活を送りその後ブリガム・ヤング大学の音楽学科へと進みました。

学生のときは周囲の皆さんからいろんな助けやコネクションを得ることができ、2002年ソルトレイクシティ冬季オリンピック記念アルバムの一曲として私の曲が選ばれる機会に恵まれました。それがきっかけで子供たちの合唱団を指導することになったんです。

しかしオリンピックが終わると、一緒に過ごした時間で子供たちと育んだ友情などを考えると、この活動が終わってしまうことが残念で寂しい気持ちになったんです。そこで「彼らとまたずっと一緒に歌い続けられたら」「子供たちの熱意と願望になんとか答えられないか」という思いが生まれました。

それをきっかけとしてボランティアとして現組織の前身となる活動を始め、彼らを指導することになり、やがていろんな人の助けを借りてOne Voice Children’s Choir という組織ができあがりました。今は私もここソルトレイクシティを中心的な拠点として活動しています。

●ハート、コミュニケーションを大切に

--One Voice Childrenʼs Choirとして普段の練習はどのように行われているのでしょうか?

Masa:一週間のうちにみんなが一堂に会するのは90分くらいなんですが、時には高度なことにチャレンジすることもあるわけで、この時間内だけで全部を子供たちが習得するのはまず不可能なので、事前に練習用の音源を彼らに向けアップロードし、それ聴いてもらった上で各自それぞれにマイナスワントラックで練習してもらっています。

--子供たちに指導するにあたり、どのような点を注意されているのでしょう?

Masa:みんなからよく言われるんですが、根本的に私はまだ自分が子供だと思っているんです(笑)。だから指導という言葉に固執せず、『自分が教師で向こうが生徒』といった関係ではなく、一緒に音楽をやるんだという気持ちで「音楽を楽しんでもらいたい」という思いで子供たちに向き合っています。

その上で自分たちの音楽に心を込めることを一番大切なものと考えています。アートはもちろんテクニックも大切なんですが、それ以前にやっぱり心が大切で、そういった心の声を人にどれだけ伝えられるか、訴えることができるかが大切だと思うんです。

一方で私は彼らをプロとして扱っているし、子供たちに期待することもたくさんあり、彼らも意識の中で「Masaは自分たちを信じて(僕らは)これを達成することができると思っているからやるんだ」という自発的な気持ちで向き合ってもらっています。

また時にはやっていて気が乗らない、気持ちが「伝える」ということにコネクトしないことがあります。そういったときは自分にもありますし、練習についてきてない、曲に心が入っていないなとお互いに感じると、私もやっていて辛いし、みんなも同じ気持ちだと思うんです。

だから練習時間の中で、彼らの気持ちが「心を伝える」というミッションにコネクトしてないと思ったら、一度その場で練習を止めて「曲のメッセージについて、みんなで考えてみようよ」みたいなディスカッションの場を設け、それを認識してもらった上で改めて練習に向き合ってもらうようにしています。

●日本、アメリカそれぞれの音楽教育の良さ

--日本の子供たちとのセッションなども経験されていますが、日本の様式、音楽教育の良さや世界に通用する部分はあると思いますか?

Masa:日本のいいところは、しつけの良さとともに基本、基礎を重視する点だと思うんです。基礎に固執しがちになるという点は日本の教育の欠点といわれますが、やっぱり重要なことですよね。例えば最初のドレミ音階を覚えることは、音楽を作っていく上ではすごく大切なことです。

日本の子は小学校一年生、二年生くらいにもなると、クラスの中で歌っていて音を外す子って意外にいないんですよね。一人だけ音を外す子がいたら、みんなそこに注目したりして結構目立つし(笑)。

一方でアメリカでは、自由にのびのびと表現することが大切とされています。だからアメリカでは逆にピタッと合う子が一人とか二人とかいて、そっちの方が逆に目立って「すっげー!マジか!」って言われるような感じなんです(笑)。

私は以前日本でヤマハの音楽教育プログラムの一環として行われているJOCに参加したことがありますが、そこで得た基礎的なスキルは今、自分の活動の大きな助けになっているところがたくさんあります。

だからそういった大事な基礎は、アメリカの子供たちにも教えたいと思うところがあります。アメリカの子たちにその日本の基礎、基本を植え付けるやり方を取り入れれば、歌ももっとまとまったりやすかったり、曲にフォームができたりするんじゃないかと。だから音楽教育という意味では、両方の国の様式をうまく一体化すると、さらに豊かな表現ができるようになるのではないかと思うんです。

●これからも世界に向けて

--今後Masaさんがやっていきたいこと、今後の活動として考えられていることなどはありますか。

Masa:特に日本は私の母国ですし、お世話になったこともたくさんあります。また私の本が出版されたときにもたくさんの方が読んでくださいましたし、本当にOne Voice Children’s Choirや私の音楽を待っていただいている方がたくさんおられるので、皆さんに向けてさらにメッセージを届けていきたいです。

またCM制作や、学校への楽曲提供など、いろんな依頼のお話をいただいており本当にありがたく思っています。だからそんな活動でも合わせて私の曲を続けて提供できたらと思っています。

そして本を出していただいた出版社のイベントやワークショップに加え、コンサートなどの企画を日本でできたらと思っています。そういった活動を通して子供たちと関わり、アメリカと日本の懸け橋になれればと思いますし、その意味でアメリカの子供たちを日本に連れて行ったり、という国同士の交流の場を増やしていけたらと考えています。

--最後に世界の皆さんに向けてメッセージを。

Masa:This is Masa Fukuda sending love, prayers, and good vibes to people all over the world. I know it’s a tough time for everyone right now, but my hope is that my music and these children’s voices will bring healing, peace, and comfort so we can get through this time together. I hope to see you all someday. Please take care and stay safe.

■2020年12月11日 全世界配信
Xia Vigor featuring One Voice Children’s Choir
(シーア・ビゴー フューチャーリング ワン・ボイス・チルドレンズ・クワイヤー)
Rockin’ Around the Christmas Tree / Winter Wonderland
(ロッキン アラウンド ザ クリスマス ツリー/ウィンター ワンダーランド)

Apple Music https://itunes.apple.com/album/id1541157171
Spotify https://open.spotify.com/album/6ZaankQSWZPtPSfpwmcd0J

■福田真史(ふくだ・まさふみ)
Masa Fukuda
(音楽プロデューサー、ディレクター)
1976年大阪府生まれ。
ブリガムヤング大学音楽学科最優秀学長賞を受け卒業。2002年ソルトレイクシティオリンピック公式CD『LIGHT UP THE LAND』に収録された子どもたちの合唱曲『IT JUST TAKES LOVE』を作曲。
その後、One Voice Children’s Choirを創設し、ディレクターとして指導する他、音楽家としても活躍。2003年ジョン・レノン音楽祭Dream Power ミュージック・アワード オリジナル曲部門で『The Innocence of Youth』がグランプリを獲得。
2005 年ひろしまフラワーフェスティバルに日米両国の小学生をジョイントし出演。2014年映画『アナと雪の女王』の挿入歌『レット・イット・ゴー』のカバー曲がその年のYouTube最優秀カバー曲賞を受賞。同年、アメリカの人気番組『アメリカズ・ゴット・タレント』出演、世界各国から注目が集まる。
2015年ホワイトハウスでのクリスマスコンサートに出演、またオバマ前大統領夫妻の前でも歌を披露。2017年フランス政府の招待によりルマンディーなどで公演。同年4月くまモン音楽祭~こどもが主役の復興音楽祭~に出演、『くまモン・ソング』を作曲し熊本県へ寄贈。同年7月にNHK BS1スペシャル『MASAと奇跡の合唱団』が放映され多くの反響を得る。同年9月~10月福岡県朝倉市、直方市、福岡市、大川市でコンサートをするなど今後ますますの活躍が期待される。

福田真史『君だけの声を聴かせて』(書籍)
https://www.php.co.jp/kimikoe/
発売日 : 2018/3/27
単行本 : 213ページ
ISBN-10 : 4569837824
ISBN-13 : 978-4569837826
出版社 : PHP研究所

■One Voice Childrenʼs Choir(ワンヴォイスチルドレンズクワイヤー)
全米で最も実力があると言われている One Voice Childrenʼs Choir は、Masa Fukudaのプロデュースのもとソルトレイクシティに拠点を持ち、さまざまな背景を持った子供たちが参加して音楽活動を行っている。
国籍、人種、宗教、文化といった背景、障がいや性格などの個性、性別や年齢差など、子供たちそれぞれは違っていることが当たり前でそれを互いに受け入れて尊重し合うことによって、それが美しい合唱のハーモニーを作り上げ、約20年に亘って多くの人々に感動を与え続けている。
One Voice Childrenʼs ChoirのYouTubeチャンネルは登録者数が311万人を超え、オリジナルで1億視聴以上のコンテンツも複数あり、トータルでも視聴数は5億を超えている。特に彼らを有名にしたものは、ディズニー映画「アナと雪の女王」のミュージックビデオで、公開初日に視聴100万回を突破し現在までにこれも1億回を超えている。
2014年にテレビ番組「アメリカズ・ゴット・タレント」で準々決勝まで進出。2015年のクリスマスには、ホワイトハウスにてオバマ大統領の前で歌声を披露した。2018年には、東京ドームシティーでミス・インターナショナル世界大会にてゲストアーティストとして出演 。世界での活躍が期待される。

One Voice Childrenʼs Choir オフィシャルサイト
https://www.onevoicechildrenschoir.com/

One Voice Childrenʼs Choir YouTubeチャンネル
https://www.youtube.com/channel/UCRa07c47CSfHHC7DbXMgbuQ

■Xia Vigor(シーア・ビゴー)
2009年イギリスデヴォン州エクセター生まれの11歳。
現在はフィリピンで活動している女優、歌手。弱冠6歳でフィリピンの超人気TV番組でホスト役を務め、その大人顔負けのトークで人気を博す。
その後“Wansapanataym”という人気TVドラマへの出演で一躍スターにのし上げがり、以後数多くの人気TV番組に出演。その中であの世界の歌姫テイラー・スイフトのモノマネを披露。その動画がYouTubeにアップされるとYouTubeの視聴数は4000万を超え、瞬く間に世界中注目され、彼女の存在を知らしめることとなる。
また、フィリピンで最も栄誉ある賞の一つ「GMMSF BOX-OFFICE Entertainment賞」を2017、19、20年と3度受賞。正にフィリピンでのトップエンターティナーの座を獲得している。
その才能は米国ハリウッドも注目、数多くのオファーを受け進出間近の状態となっている。WWFのアンバサダーも務め、このコロナ禍においても積極的にボランティア活動をする姿は勇気と希望を与えるアイコンであり続けている。

Xia Vigor インスタグラム
https://www.instagram.com/xiabernardo/?hl=en

●インタビュアー 中脇雅裕 
音楽プロデューサー ワールドコア株式会社CEO
日本の音楽シーンにおいて、幅広いジャンルでのヒット曲に携わる。近年ではグローバルに活躍するアーティストとのプロジェクトも多い。

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